知り合いの80代の男性がレポートの受け付けで最近、困っていることがあると言う。
その男性は毎年、受講者たちにレポートの提出をワケあって紙で提出するよう求めているのだが、ここ数年、急速に“手書き”のレポートが増えてきているのだと言う。
手書きの文字は悪筆も多く、読むのに苦労すると言う。
その人曰く、「昔は、レポートの提出と言ったらワープロ(※ワープロ専用機ではなく、Word・一太郎等、PCのワープロソフトのこと)で書いて、それを印刷したものを提出してきたものだ。それを最近の人は手書きで書いてくる」
その人の言う「昔」とは、せいぜい10年前のことで、10年前の2008年と言ったら、ばりばりパソコンとネット全盛の時代である。その頃は皆、パソコンのWordで書いて、余白などを整えて印刷してレポートを提出していた、と。
その人の言う「最近」とは、ここ2、3年のことで、急激に手書きのレポートが増えてきたのだ、と。
私はその話を聞いて、今の若い人たちはオンラインでの提出に慣れていて、デジタルで書いたものを紙に印刷する方法を知らないんじゃないか、と思った。
印刷する方法なんて、それこそ“ググれ”ば分かるだろうが、そんな面倒くさいことするぐらいなら初めから手書きで書いた方が早いや、と思うのかもしれない。あるいは家にプリンターが無い、という人も多いのか?
私は「紙で提出というのも限界に来ているのかもしれませんね」と答えたのだが。
80の老人が「昔はワープロで書いてきたもんだ。それを今頃の若い人はみんな手書きで」と歎息しているのが少し可笑しかった。
因みにその男性は昔からパソコンもネットも使っているので「ネットで提出」という方法を知らないわけではない。
来年以降、その人が紙での提出に拘って乱筆と挌闘するのか、それとも諦めてネットでの提出に切り替えるのか、興味がある。
学生時代、どうやってレポートを書いてた?