漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

将棋界には不思議なほど将棋に関係する名前の棋士が多い

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 「球児」という名前のプロ野球選手がいます。父親が野球が好きでその影響を受けて育つと、名前と職業が一致することがままあります。
 
 今の将棋界には将棋に関係する名前の人が不思議と多く、下の名前の場合は「親が将棋好きだったのかなあ」と思いますが、それにしても将棋のプロになれるのはほんの一握りの人であり、なかなか珍しいことだと思います。
 
 小学生の頃からの将棋ファンである私が、今日はそんな珍しい名前の棋士たち(女流棋士含む)を相撲の番付風に紹介したいと思います。(段位だとややこしくなるため。)
 
 より珍しい方が横綱です。
 
 
<前頭>
 
 名字、若しくは下の名前に将棋の駒の名前が入っている棋士です。竜、馬、金、香など。
 
菅井竜也(すがいたつや)王位
及川拓馬(おいかわたくま)六段
金井恒太(かないこうた)六段
里見香奈(さとみかな)女流名人
香川愛生(かがわまなお)女流三段
 
 
<小結>
 
松尾歩(まつおあゆむ)八段
 歩(ふ)です。「歩のない将棋は負け将棋」という格言があるくらい、将棋にとって大事な駒です。強い人ほど歩の使い方が上手いですね。
 
豊島将之(とよしままさゆき)八段
 将棋の「将」の字そのものが入っています。
 
大橋貴洸(おおはしたかひろ)四段
 珍しい名前ではありませんが、江戸時代の初代名人が「大橋」という姓でした。
 
 
<関脇>
 
三枚堂達也(さんまいどうたつや)六段
 将棋の駒は一枚、二枚、と数えます。そしてまた「三枚」という数が絶妙な数です。「玉の守りは金銀三枚」「攻め駒が三枚あれば詰む」「歩が三枚あれば詰むんだけど」などとよく言います。
 
中座真(ちゅうざまこと)七段
 席を離れることを「中座する」と言います。将棋の対局は椅子に座る囲碁と違って畳の上に正座、または胡座をかいて座ることが多いです。タイトル戦のような長丁場の対局では途中で何回も中座してトイレに行ったりします。
 
 
大関
 
矢倉規広(やぐらのりひろ)七段
 将棋の王様の囲い方で最も有名な囲い方が「矢倉囲い」です。矢倉七段が広めたのではなく、ずっと昔からある囲いの名前です。将棋を指す人で「矢倉」を知らない人はいません。将棋界に名字が「矢倉」の人が入ってくるなんて。
 
北村桂香(きたむらけいか)女流初段
 駒の名前が一文字入っている方は何人かいますが、この方は「桂」と「香」の二文字です。かなり将棋っぽいお名前です。
 
 
横綱
 
都成竜馬(となりりゅうま)五段
 と思ったら、もっとすごい人がいました。「と」は、歩が「成」ったものです。歩が敵陣に入って「成」ると「と」になります。「竜馬」はそれで一つの「馬」という駒でもありますし、「竜」と「馬」という二つの最強の駒の名前にも取れます。名字から下の名前まで、すべてが将棋に関係する字が揃っており、この方が優勝です。
 
 
(※文中、段位、タイトルはすべて2018年6月時点のもの)