「ガラパゴス」が嫌いである。
ガラパゴスが優れているのを認めないわけではない。
「この島の中では便利にお使いいただけます」という“内輪”な感じがいやだ。
フィーチャーフォン、いわゆるガラケーも持ったことがない。ガラケーが優れているのは知っている。最近になって「iPhoneでApplePayでお支払いができるようになりました」などと言っているが、ガラケーでは10年以上前にできていたことである。
デジタル通貨の話は「日本社会のキャッシュレス化」という文脈で語られることが多い。だが私はキャッシュかキャッシュレスかはどうでもいい。ただ囲い込み化、ガラパゴス化はしてほしくない。
「Suicaはすばらしい」「もう全部Suicaでいいよ」と皆言う。たしかにSuicaに搭載されているFeliCaは、外国のNFCに比べて処理スピードも速く優れている。そして他の支払い方法よりもかなり便利である。
しかし、この「スグレモノ」こそが曲者なのである。勝手に世界の最先端に進みすぎて気がついたらガラパゴス、というのが日本の携帯電話でやってきたことである。民間に任せているとこういうことになりそうな気がする。もっとも最近の官僚の為体ぶりを見ていると国だったらちゃんとしたものが作れるのかは疑問だが。