漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

元号公表時期問題は即位日と改元日をずらせばいい

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 先日の日経新聞によれば、自民保守系の議員が新元号の発表は新天皇の即位後にすべきだ、と政府に要請したらしい。
 
 
 このニュースに対して、IT技術者が多いはてなユーザーは大ブーイング。はてなブックマークコメントは呆れと怒りの声に溢れていた。
 
 多くのはてなー(おそらく国民も)は、少しでも早く、遅くとも3か月前あるいは半年前には新元号を公表してほしい、と前々から訴えている。
 
 それに対して、今回の自民保守系の議員の言い分は、新しい元号は新しい天皇が公布するのが伝統に則ったやり方だから、そうすべきだ、という意見である。
 
 一見、この自民保守系議員とはてなーたちの意見は対立しているように見える。だが、そうではない。両者の言い分を受け入れ、両者を納得させる方法がある。
 
 それは、即位日と改元日をずらせばいいのである。
 
 現代の人々は即位日と改元日が同日であるのを当然のことのように思っている人が多いが、江戸時代までは即位日と改元日がずれているのは全然珍しいことではなかった。
 
 即位日は2019年5月1日と決まっている。これはいろいろな皇室内の行事の関係で動かせない。で、この日に新しい元号を新天皇が発表するのである。そして、その3か月後の8月1日頃に改元を行うのである。つまり7月まで「平成31年」を使い、8月から「◯◯元年」を使うのである。
 
 このようにすれば、「新元号は新天皇のお口から発せられるべきだ」という自民保守系議員も、「最低でも元号が切り替わる3か月前には公表してほしい」というはてなーたちも、両者満足できるであろう。
 
 もちろん、8月1日ではなく9月1日からでも10月1日からにしてもいい。
 
 ただ、今からこの日程を変えるのは難しいだろう。保守系議員のいう「新天皇のお口から公布せられるべき」というのは私も尤もだと思うが、それはもっと早く言うべきであった。「報道されたのが遅かっただけで、私たちは早くから言ってました」ということなのかもしれないが。
 
 議員、政府の中にも「即位日と改元日は同じ日でなければいけない」という思い込みがあったのでは?
 
 即位日は祭祀の要素が強いので宮内庁主導で決められてしまうところがあるが、改元日はどちらかと言えば行政サイドの話なのだから、もっと早い段階から訴えていれば、両者納得のいく形にできたかもしれないのに。
 
と思った。
 
 
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