天気予報は年々精度が上がってよく当たるようになったと言われる。だがそれは明日や明後日の天気であって、週間予報とか長期予報になればなるほど、まだまだ精度は低いとも言われている。
そこで気象庁が発表した今夏(2018年夏)の長期予報がどれくらい当たっていたのか検証してみたい。
発表したのは夏に突入する直前の5月の終わり頃(5月25日)である。
下記が気温に関する予想。2018年の夏は記録的暑夏であったが、それを予想できていたかどうか。
気温・6月東日本→「ほぼ平年並」西日本→「ほぼ平年並」気温・7月東日本→「高い」西日本→「高い」気温・8月東日本→「平年並か高い」西日本→「平年並か高い」(2018年5月25日気象庁発表)
気象庁の発表では1か月ごとに気温は5段階に分けて予想している。
低い
平年並か低い
ほぼ平年並
平年並か高い
高い
の5段階である。
7月の気温は、北日本→「平年並か高い」東日本→「高い」西日本→「高い」沖縄→「高い」と予想しており、ほぼ的中と言っていい。
8月の気温は全国的に「平年並か高い」と予想している。東京では8月は涼しい日と猛烈に暑い日が交互に訪れていた感じだったので、体感的にもほぼ合っている。
そして6〜8月の3か月まとめての気温予想でも「高い」とはっきり書いており、平年より暑い夏になるという予想は当たっている。
降水量に関しては7月の東日本太平洋側が「平年並か少ない」と予想しており、実際、関東地方は今年は6月中に梅雨明けした。6月と7月の東日本の降水量は平年並だったのでこれもまあ的中と言っていいだろう。
西日本の7月の降水量は「平年並か少ない」となっている。7月上旬の西日本豪雨を思うと、これは外れているようにも感じるが、このような突発的な事象はなかなか長期予報には織り込むのは難しいだろう。
私は、気象庁の長期予報というのは当たらないものだと思っていたが、こうして見ると、少なくとも今夏の予報に関してはよく当たっている。
「予報のポイント」として「全国的に暖かい空気に覆われやすく、向こう3か月の気温は高いでしょう」と言い切っている。
気温に関しては「(平年より)高い」と言ってるだけで「記録的猛暑になる」というような表現はどこにもないが、もし自分が予報の担当者だったとしたら「記録的猛暑になる」とは思っても言いたくない。
また、「予想される海洋と大気の特徴」のところで「全球で大気全体の温度が高いでしょう」と予想しており、これは今夏の日本だけではなかった世界的な暑夏も言い当てている。
5月下旬にこの長期予報を見たとき「9月になったらこの予報がどれだけ外れていたかを検証することになるだろう」と予想したが、その私の予想は外れて、今夏に関しては3か月予報がよく当たっていた、という結果になった。