漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

ビットコイン誕生10年

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 ビットコインの誕生日は1月3日だが、アイデアの誕生日は今日10月31日だ。
 
 ナカモトサトシが短い論文『Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System』を発表した日。その日から今日で10年。
 
 ナカモトサトシは、この小さな論文を書いたときに、10年後の今を想像していただろうか。
 
 デビッド・ショームやニック・サボーらの先行研究があったとは言え、「新しいお金をつくる」なんて考えもしなかった。私が「新しくお金をつくる」と聞いたら偽札でもつくるのかと思うだろう。
 
 先行研究のいくつかのアイデアを借りており、ナカモトサトシの完全オリジナルなアイデアではないかもしれないが、ビットコインはその後いくつかの幸運にも恵まれ、世界へ普及して行った。
 
 日本でビットコインが爆発的に知名度が広がったのは2017年のことであり、最初の論文が書かれてから9年も経ってからのことだった。私も最初の4年間くらいはビットコインのビの字も知らず、ラースロー・ハネツがピザを買ったのはもちろんのこと、シルクロード事件なども全然知らなかった。初めて「ビットコイン」という言葉を聞いたのはMt.Gox事件の時だった。それからビットコインについて学んだ。
 
 ビットコインは賛否の両論を聞くが、私はビットコインには期待をしている。2017年という年はビットコインにとっては不幸な一年だったが、私はビットコインに世界中で使える通貨になってもらいたいと思っている。投資の対象ではなく。
 
 10年後、ビットコインが20歳の誕生日を迎えるまでにはビットコインが通貨として当たり前に使われている時代が来るだろうか。
 
 
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