漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

私の考える理想の○○ペイ

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 前提はできるだけ少ない方がいいのである。
 
 Apple Pay、Google Pay、Suicaのようなものは端末の資格を求める。iPhoneだったらiPhone7以降とか、Androidだったらおサイフケータイ対応機種とか。
 
 QRコード決済はその点、端末の資格は求めないが、インターネット接続を求める。楽天ペイもLINE PayもPayPayも、スマホがネットに繋がっていなければ使えない。
 
 以前、ソフトバンクが大規模通信障害で使えなくなった日に財布を忘れて地獄を見た人がいた。あるいは北海道全域で大規模停電があった時も、困る人がたくさんいた。
 
 財布を忘れたぐらいで地獄を見なければいけないのはおかしい。手元にはスマホがあり、そのスマホの中にはお金が入っているのである。手にお金を持ってるのに、それを使うことができないなんて、こんな苦しみを人々に味わわせるべきではない。
 
 いざという時のために、スマホケースの中に紙幣を忍ばせている人がいる。アナログで原始的なやり方だが、今のところこれが一番確実な方法である。スマホを振ったら硬貨が(たとえば500円玉が)出てくる、とか。
 
 このデジタル化の時代に「スマホケースの中に紙幣」に敵う方法を提案できないのはデジタルの敗北である。
 
 東日本大震災クラスのスーパー大災害の時にも使えなければいけない。そのためには、端末の資格だとかネット接続だとか、そのような前提条件はできるだけ無い方がいい。
 
 クレジットカード会社も通さず、できれば銀行口座直結か端末内保存で、プリペイドでもポストペイでもなく、リアルタイムペイであるのが望ましい。
 
 ビットコインでもいい。ただ、ビットコインは現状、インターネットに依存している。インターネットに依存しない形の新しい在り方の研究や実験も始まっているようだが、実用に至っていない。
 
 また、どこのお店でも使えるのが理想である。「そのペイには対応していません」とか、「読み取り機がありません」、「読み取り機はあったけど今回の災害で水没してしまいました」というのでは駄目だ。
 
 Bluetoothのような近距離接続で、こちらのスマホから相手のスマホに、確実にお金を移動させる方法を考えてもいい。それでも最低、スマホの電池が持っていることが条件にはなるが。
 
 目の前の人にお金が渡るように。危機の時でも、最低限そこまで足を運んで物理的に近くに来たなら、デジタルなお金を移動させられるように。「支払う」というよりお金を「渡す」「移動させる」ことができるようになることが大事だ。
 
 「pring」のような、対面でQRコードでお金を相手のスマホに送れるアプリもある。お金を目の前の相手のスマホに送れれば、それはお金を支払ったことになる。
 
 大規模通信障害や大規模停電などは、けっして他人事ではなく、いつ自分の身にふりかかって来てもおかしくない。
 
 「しょうがない」と言ってあきらめるのではなく、新しく「◯◯ペイ」をつくる計画がある人には、ぜひとも考えてもらいたいことだ。
 
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