漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

公共料金はなぜ月一引き落としなのか

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Gerd Altmannによる画像
 
 電気代、ガス代、水道代、電話代、のような公共料金は、月に一回、登録している銀行口座から引き落とされる。
 
 これが前から疑問である。なぜ「月に一回」なのか。そして、どうして誰もこのことに疑問を持たないのか。
 
 月に一回というのは、まるで明治時代の郵便制度のようだ。
 
「九州の知人から返事が来ないんだけど」
 
「ああ、九州からの手紙でしたら来月の船便で東京湾に到着すると思いますよ」
 
 それから、手紙は五日で届くようになり、三日になり、二日になった。そして今ではメールでほぼリアルタイムに返事が届く。コンピュータとインターネットの浸透に伴い、世の中のあらゆることは「リアルタイム」の方向に向かっている。
 
 なのに、公共料金の引き落としはなぜ未だに「月一」なのか。電気代もガス代も水道代も、使った分から即時、リアルタイムで引き落としていけばよいではないか。
 
 日本は外国にくらべても、公共料金の支払いは銀行口座からの自動引き落としにしている人が多い。であるなら、なおさら使ったそばから料金を引き落としていくことが可能なはずだ。
 
 「私は月に一回引き落とされた方が分かりやすくて家計が管理しやすい」と言う人もいるだろうが、そう望む人はそうすればいいだけだ。あるいはリアルタイム引き落としにしておいて、明細だけ月一のものを発行すればいい。
 
 スマートメーターでは約30分ごとに使用量が確定している。かつてのように月に一回の人力の検針によって使用量が確定するわけではない。それなのに、料金の引き落としだけが明治時代の郵便制度のような時間感覚で動いているのは何故なのか。いったい何のためのスマートメーターなのか。
 
 月一が悪いと言うのではない。どっちの方が優れているか、とか、どちらが効率がいいか、ということではなく、当然にできることは当然にできなければいけない。
 
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