2016年に始まったマイナンバー制度。
この三つの内、税は嫌われもので、社会保障と災害対策は国民にとって嬉しいことだ。「徴税のためにマイナンバーというものを作りました」と言うのでは国民からの反発は必至なので、「社会保障と災害対策にも使います」という建前をくっつけて制度をスタートさせた。
そして今度は、Covid19禍による国民への一律10万円の特別定額給付金の支給にもやはりマイナンバーを使わない、と政府が発表した。給付金は社会保障である。「災害対策」にも「社会保障」にもマイナンバーを使わない。
政府への失望は前からだが、私が今回特に失望しているのは、普段から政府批判を繰り返していた“同志”たちが大人しくなってしまったことだ。「スピード重視なんだから政府のこのやり方でいいと思う」と政府を擁護する者がたくさん現れた。10万円を目の前にした途端、急に矛を収めるとは情けない。
マイナンバーはマイナンバーカードより圧倒的に速い。「スピード重視なんだから」と言って政府の支給方法を擁護している者たちはそこは無視か?2020年の現時点でのマイナンバーカードの普及率は2割にも満たない。一方のマイナンバーの普及率は約100%。
こういう時に使わないで何のためのマイナンバーか。
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