漸近龍吟録

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2020年東京都知事選挙の区別結果から見る東京23区の地域傾向

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 2020年7月5日、東京都知事選挙が行われた。都民の一人として私も投票に行った。
 
 その結果は次の通り。
 
1位 小池百合子 59.7%
2位 宇都宮健児 13. 76%
3位 山本太郎 10.72%
4位 小野泰輔 9.99%
(数字は得票率)
 
 小池氏の圧勝であった。小池氏は東京のすべての区、市で1位の得票率であった。また、多くの区、市で宇都宮氏が2位であり、3位は山本氏と小野氏がほぼ同数であった。
 
 全体的な傾向は以上のようでありながらも、区ごとの結果を細かく見てみると、東京という街の特徴が見えてくる。
 
 次の図は、小池氏の得票率が高かった上位7区と宇都宮氏の得票率が高かった上位7区を色塗りしてみたもの。緑が小池氏で黄色が宇都宮氏である。かなりはっきり東西に分かれている。
 
緑=小池
黄=宇都宮
 この分かれ方は何を意味するか。地方の人にはあまりピンと来ないかもしれないが、これは大雑把に言うと「学のある地域」と「学のない地域」である。黄色の地域は大学などが多い「学のある」地域で、緑色の地域はそれに比して大学なども少ない相対的に「学のない」地域になる。
 
 今回は23区にだけ色を付けたが、この傾向は市部でも同じで、例えば一橋大学を中心とした大学街として有名な国立市は他の市と比べて小池氏の得票率が低く、宇都宮氏の得票率の高さが目立つ。
 
 
 次に「3位」に注目してみる。ほとんどの区で1位は小池氏、2位は宇都宮氏だったが3位は山本氏と小野氏が接戦だった。
 
 次の図は3位がどちらだったかを色分けしたものである。薄い赤が山本氏、薄い青が小野氏が3位を取った区である。濃い青は小野氏が宇都宮氏を斥けて2位だった「もっと小野」の区である。見て分かるように、こちらは先ほどと違って南北に分かれている。
 
赤=山本
青=小野
濃い青=もっと小野
 
 この違いは何を意味するか。これは、簡単に言うと「金持ち地域」と「貧困地域」の違いである。
 
 政治志向的に、小池氏と小野氏は「強者のための政治」である。日本や東京を強くしましょう、という思想である。対して、宇都宮氏や山本氏は「弱者のための政治」を志している。
 
 金持ちエリアに住んでいる人たちは、すでに自分が強者なので、「弱者のための政治」よりも「強者のための政治」に投票するというわけである。ほとんど金持ちしか住んでいないと思われる、千代田、中央、港の都心3区での小野氏の支持率の高さ(宇都宮氏の支持率の低さ)が目立つ。
 
 このように、東京23区にはうっすらと「エリア」がある。「学」については東西に、「金」については南北に。
 
 私は以前から東京には「学」や「金」についてエリアが存在すると考えているが、今回、選挙結果を分析してみることで少しその傾向が見えたような気がする。
 
 もっとも、エリアがあると言っても“うっすら”である。23のすべての区において、小池氏が圧倒的得票率1位であったことは注意されたい。
 
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