漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

18歳以下10万円給付批判

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 こんなふざけた政策はない。
 
 10万円は子どもに渡されるわけではない。実際に受け取るのは親だ。結婚もできて子宝に恵まれている人が10万円を受け取れて、結婚もできず子どもも持てない恵まれない人が10万円を受け取れないなんて、そんなあべこべな話があるか?
 
 給付金というのは恵まれない人から先にやるのが当然で基本のことだ。こんな基礎基本のことすら間違ってできていない背景を考えると、さらにその前提となる誤認識が透けて見える。
 
 「今どきの若い人たちは結婚をしたがらない。子どもを作りたがらない。だから日本は少子化になる」という誤認識だ。そして今度の10万円をインセンティヴにしようとしている。「ほらね、結婚して子ども作ってると良いことあるでしょ?」というわけだ。
 
 大なる誤認識。結婚できないのは金が無いから結婚したくてもできないのだ。特に男性はそうだ。高年収の人の方が結婚できる。「18歳以下の子どもに10万円」は、そういう人たちに優先的に給付金をあげましょうと言っているのだ。世の中のどこを探せばこんなおかしな話があるのか。
 
 お見合いであれ、合コンであれ、マッチングアプリであれ、婚活市場において低年収の男性たちは「論外」と言われ門前払いを喰らっている。年収300万円以下、200万円以下の男性たちは、お見合いの結果を断られているのではなくお見合いのセッティング自体を断られているのだ。
 
 もちろん、結婚して子どもがいる人の中にも貧しい人はいるが、基本的には現代の日本においては結婚できている人は恵まれている人である。
 
 これは愚策ではなく悪策である。家に18歳以下の子どもがいる人と言ったら、大体40代~50代の人たちで、現代の日本の中心層だ。だからこの悪策に対して大きな反対の声は出て来ないし、政府も人気取りのためにこのような悪策を決行するのだ。
 
 不道徳で非倫理的かつ非人間的である。心が痛まないのか。
 
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