漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

立憲民主党と米・民主党の違い

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 野党第一党である立憲民主党の支持率が低いままであるという。自民党がどれだけ問題を起こして支持率を下げても立憲民主党の支持率は低いまま。アメリカでは共和党民主党の支持率は半々ぐらいなのに、日本の立憲民主党はどうして自民党と半々ぐらいにならないのか。
 
 アメリカでは共和党支持層と民主党支持層の間にはっきりとした違いがある。都会は民主党支持、田舎は共和党支持。若者は民主党支持、高齢者は共和党支持、と言った具合に。
 
 日本にはこうした違いがない。“うっすら”とした傾向を無理やり見て取ろうとする人もいるが、日本では都会でも自民党が圧倒的第一位、田舎でも自民党が圧倒的第一位。高齢者層でも中高年層でも若者層でも、どの年代でも自民党が支持率圧倒的第一位である。
 
 なぜ立憲民主党は米・民主党のようになれないのか。「批判ばかりで具体的な政策を提言できていないから」など理由はいろいろ言われるが、私は大きな理由の一つは「IT・デジタルに強い」というイメージを打ち出せていない、ということだと思う。
 
 米・民主党はそのイメージの醸成に成功している。「共和党はデジタルに疎いおじいちゃんたち。民主党の方がIT・デジタルに強くてイケている」というイメージの醸成に。だから若者層から支持される。
 
 日本の立憲民主党はそれをやって来なかった。なぜやらないのだろう。
 
 党首からして「IT・デジタルに強い」ところをまったく見せない。チャンスはいくらでもあった。自民党にはすでに「デジタルに疎い」というイメージは付いている。だからそこで「デジタルに強い立憲民主党」というイメージを打ち出していればもっと若者層の支持を取り込めたかもしれないのに。
 
 これは実際の能力の話ではない。実際の能力は、自民党立憲民主党とどちらがデジタルに強いかは、個々の議員によっても能力は違うだろうし一概にどちらが強いとは言えない。あくまでも「イメージ」の問題なのだ。
 
 ライバルであるはずの自民党は、討つまでもなく何回も自分からずっこけて支持率を下げてくれた。立憲民主党にとっては支持率を奪回する大チャンスのはずだが奪回しに行かない。
 
 IT・デジタルに強い、という大きな「イメージ」が落ちている。だが拾いに行かない。これは若者層の支持を取り込める大きなイメージだ。若者層を取り込めれば徐々にその上の年代にも波及していくだろう。日本の立憲民主党はなぜそうした戦略を取らないのだろう。