漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

2020-01-01から1年間の記事一覧

DXとは何か 〜日本のDXに缺けているもの〜

「デジタルがやって来る」と「デジタルを持って来る」の違い 一昔前に「イノベーション」という言葉が流行ったように、今は「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が流行っている。だが誰も「DXとは何か」ということが解っていないように見え…

年末年始休という謎の休み

昔からずっと不思議である。 年末年始はなぜ休みなのか。 年末年始が休みであることに何の疑問も持ってない人は、カレンダーを見てみてほしい。1月1日は赤字で書かれている。だがそれ以外の12月31日や1月2日は黒字で書かれている。(たまたま土曜日だったら…

年末調整批判

今年もまた年末調整の時期がやってくる。 毎年、11月頃の恒例年中行事のようになっているが、謎の行事である。 この時期になると毎年、年末調整を担当している事務の人の苦労、そして「書き方が分からない」、「めんどくさい」といった会社員の声が溢れる。…

「タッチ決済」呼称への違和感 ~接触するのかしないのか~

ここ一、二年で「タッチ決済」という言葉を目にする機会が急に増えた。 「タッチ決済」とは何か。 QRコード決済のような読み取り式ではなく、カードやスマホを読み取り機にタッチして決済する方法全般のことを言う。NFCという技術が使われている決済方法なの…

マイナンバーは「絶対に他人に知られてはいけない番号」ではない

国民のマイナンバーに対する誤解はたくさんあるが、今日はその中でもよくある、マイナンバーが「絶対に他人に知られてはいけない番号」と言われていることについて書こうと思う。 12桁のマイナンバー(個人番号)を「絶対に他人に知られてはいけない番号」と…

事後の変化、事前の変化

NewspicksでJRの社長がダイナミック運賃導入に言及する中で「もうコロナ前には戻らない」と言ってるのを見て、大企業のトップがなんとつまらないことを言うのかと思った。「戻らない」ではなく、「戻すか戻さないか」が問われているのに。 それに対して「ダ…

2020年東京都知事選挙の区別結果から見る東京23区の地域傾向

2020年7月5日、東京都知事選挙が行われた。都民の一人として私も投票に行った。 その結果は次の通り。 1位 小池百合子 59.7% 2位 宇都宮健児 13. 76% 3位 山本太郎 10.72% 4位 小野泰輔 9.99% (数字は得票率) 小池氏の圧勝であった。小池氏は東京のす…

マイキーIDとは何か

マイキーID。今はまだほとんどの国民に知られていないこのIDも、そう遠くない将来にほとんどの日本国民に知られるようになる。マイキーIDは、これからの社会生活の根本になってくるものだからである。 「マイナンバー制度」という言葉のイメージはこんな感じ…

変化に適応するだけの日本人

つまらない「ダーウィンの言葉」 数日前に「ダーウィンの言葉」として、こんなのが話題になった。 最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できるものである。 話題になったきっかけは自民党…

出社勤務は遅れていて在宅勤務は進んでいるという風潮に違和感

ネット上の、自称意識高い系の人が集まっているようなところでは、「出社勤務は遅れていて、在宅のリモート勤務という働き方の方が進んでいる」という単純な物の見方が幅を利かせている。 2020年5月末で緊急事態宣言が解除になり、再び出社する人が増えた時…

特別定額給付金、なぜマイナンバーを使わなかったのか

怒っている。もう、この問題は繰り返し言ってきた。政府を批判したいがその前に国民の無理解があり、それとも闘わなければならなかった。大手マスコミの記事も大体目を通していたが、軒並み間違っていたり中途半端な理解だったりした。 先ず第一に、特別定額…

虎ノ門ヒルズ駅誕生に伴う日比谷線の駅間問題

日比谷線は駅間がおかしい。 地下鉄の駅間はなるべく均等に作られているが、日比谷線は駅間が極端に短かったり長かったり。 この度の虎ノ門ヒルズ駅の開業で、ますます駅間がおかしくなった。 下図の通り、例えば北千住駅から中目黒駅方面に向かうとすると、…

「給付金が遅延したのはマイナンバー制度に反対した人たちのせい」という国民の勘違い

全国民一律の10万円の給付金。この給付金支給の遅延が全国の自治体で相次いでいる。特にマイナンバーカードを使ったオンライン申請は、申請の内容に不備が多かったり、全国の市役所が申請内容と住民基本台帳の内容を目視確認したりするのに時間を取られて「…

COVID-19禍と天平の疫病大流行~特別定額給付金と「賑給」~

世界的なCOVID-19禍の中で私が思い起こしたのは今から約千三百年前、天平九年に起こった「天平の疫病大流行」だ。日本の国が駄目になってしまうのではないかと思われるほどの未曾有の疫病危機。その中で困窮する人々に支給された「賑給」について。 「全国民…

受け継がれるフローレンス・ナイチンゲールの精神【生誕200年】

2月~3月ごろ、COVID-19がパンデミックの猛威を奮い始めたころ、私が想起していたのは今年生誕200年の記念の年になる、フローレンス・ナイチンゲールのことだった。 ナイチンゲールは、看護師、また統計学者のイメージが強いが、社会変革家でもあった。しか…

一律10万円の特別定額給付金にはマイナンバーは使われない

多くの国民が政府の戦略にまんまと乗せられている。 政府が全国民一律で10万円の特別定額給付金を支給することを発表した。この給付金の支給に時間がかかっている。申請には郵送とオンラインの二種類の方法があって、マイナンバーカードを使ったオンライン申…

建前すら失った有名無実のマイナンバー

2016年に始まったマイナンバー制度。 マイナンバーの利用目的は「税・社会保障・災害対策」の三つ。それ以外のことで使ってはいけない。そう法律で定められている。 この三つの内、税は嫌われもので、社会保障と災害対策は国民にとって嬉しいことだ。「徴税…

国民への給付金、なぜマイナンバーを使わないのか

Covid19禍に伴う国民への給付金の給付方法が発表された。 国民からの申請で、基本は郵送、マイナンバーカードを持っている人はオンラインでも申請できる、という。 この政府の発表に対して、 「何やっても文句を言う人がいるんだな」 「スピード重視と言って…

オリンピック延期に伴って生じるオリンピアード問題

昨日、日本の首相が「オリンピックを一年程度延期したい」と述べたのに対して、IOCの会長が「100%同意」した、という報道があった。 このニュースを聞いて私が真っ先に思ったのは、「オリンピアードはどうするのか」ということだった。 オリンピアードとい…

オリンピック延期と簡単に言うけれど

オリンピック延期と簡単に言うけれど。 スポーツ選手にはピークの時期というものがある。 国によって、また種目によって、代表選考が終わっているものと未だのものとがある。 日本では、2020年3月下旬現在、陸上の短、中距離、競泳(飛込やシンクロを除く)…

【2020年】気象会社6社による桜の開花予想レース結果発表

今年も民間の気象会社6社による桜の開花予想レースを勝手に開催しました。3月14日に全国のトップを切って東京・靖国神社で桜の開花が気象庁から発表されましたので、答え合わせをしていきたいと思います。 今年は2019-2020の冬が記録的な暖冬で充分な休眠打…

マイナンバーカード改名提案

マイナンバーカードが普及しない。 せっかく国が作ったマイナンバーカードが全然普及していない。 このカード、一つは名前が悪いのではないだろうか。 国民の中で一番多い誤解は、マイナンバーとマイナンバーカードの混同である。大手新聞社でも「○○図書館、…

“盥回し”と心理的距離感

人間とはつくづく勝手なものだと思った。 数年前、救急車の「盥回し」が大きな社会的話題になったことがあった。救急搬送された病人がいくつもの病院で受け入れを断られて死亡するケースなどがメディアで報じられた。 私はそのとき新聞に同調して「盥回し」…

問われないゴーン出国見逃しの責任

by Michael Misof 不思議な光景だった。 昨年2019年末にゴーンが出国してレバノンにいることが明らかになった時、弁護団も法務省も外務省も政府も、関係者は一様に「寝耳に水」「まったく知らなかった」と言った。 責任者なのに「知らなかった」と言うことを…

高校ラグビー改善案

昨年2019年は、日本はラグビーワールドカップが開かれ大いに盛り上がった。ワールドカップ開幕前日まで、ラグビーのことなどほとんど話題になっていなかったので、開幕後の盛り上がりには驚いた。 私は昔からラグビー、特に高校ラグビーが好き、だった。だが…

ゴーン出国事件に見る日本の2つの病理

2019年大晦日、カルロス・ゴーン被告(以下、ゴーン)が日本を出国してレバノンにいる、というニュースがあった。 この事件を受けて、NHKがゴーンの弁護を担当する弘中弁護士にインタビューしたニュ―ス。ゴーン被告の弁護士が取材に応じる「寝耳に水でびっく…