漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

2018-01-01から1年間の記事一覧

年末年始休み廃止論

「年末年始休み」という奇習はいったいいつまで続くのだろう。 昔から「盆・正月」という。 この内、盆休みは近年、なくなりつつある。盆休みがない企業は増えた。「夏休み」はあるものの、秋頃に自由に「夏休み」を取ったりする人も増えてきている。 ところ…

地図会社は市区町村ごとの地図を作ってほしい

最近、こんなニュースを見て、以前から不満に思っていたことを思い出した。 スマホに負けた…地図の「昭文社」 希望退職を募集 | NHKニュース NHKでは、ネットの電子地図に押されて紙の地図が売れなくなった、という分析である。 それもあるだろうが、昭文社…

淪漪が怒濤になる日は来るか

いわゆる「仮想通貨」と呼ばれるものは種々あれど、その中でも「淪漪」は異色である。 2018年11月、ついに淪漪(XRP)の時価総額は「飛行石(ETH)」を抜いて全仮想通貨中、2位になった。 2018年11月に仮想通貨全体の価値(価格)の大幅な下落があったが、淪…

日本がキャッシュレス化より先にやるべきこと

最近、頓に「キャッシュレス化」が叫ばれているが、日本の決済シーンにおいてはキャッシュレス化より先にやるべきことがある。 それは、「ネットで支払えるようにすること」である。 「諸外国にくらべて日本はキャッシュレス化が遅れている。だから私たちは…

キャッシュレス化は何のため?

ここ一、二年でまた数段と「キャッシュレス化」の声を聞くようになった。日本は今、国を挙げてキャッシュレス化を推し進めている。 しかし、そもそも何のためにキャッシュレス化するのか。日本社会をキャッシュレス化する目的は何なのか。 経産省などキャッ…

ビットコイン誕生10年

ビットコインの誕生日は1月3日だが、アイデアの誕生日は今日10月31日だ。 ナカモトサトシが短い論文『Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System』を発表した日。その日から今日で10年。 ナカモトサトシは、この小さな論文を書いたときに、10年後の今…

電子書籍? 紙の本?

こんな記事を読んだ。 www.itmedia.co.jp 紙の本の方がいいのか、電子書籍の方がいいのか、という古くから言われている問題がある。 私はどちらでもいいと思う。「紙の本でなければ駄目だ」と言うような人はいるのだろうか?ほとんどの人は「どっちでもいい…

安田純平氏批判に感じる二つのおかしさ

人質として捕らわれていたジャーナリストの安田純平氏が解放されてから、またぞろ日本国内で「自己責任」バッシングの声をよく聞く。10年以上前に日本国内で吹き荒れた「自己責任論」が再び跋扈している。 そのバッシングに二つのおかしさを感じる。 一つは…

自治体ポイントがマイナンバーと紐付く?

昨日(2018年10月24日)、日経新聞で驚くべき記事を目にした。 www.nikkei.com (※リンク先は登録制記事) 記事の主旨は、自治体ポイントを使った場合、紙の商品券よりも一定額を上乗せする仕組みにするという話だが、その記事の中に、 マイナンバーとひもづ…

教育勅語は普遍性を持つか

文部科学相が教育勅語について肯定的に発言したのをきっかけに、ここ数日、ネットでもまた教育勅語について議論があった。 教育勅語に対して否定的な意見を多く見たが、中には「教育勅語に書かれている内容は普遍性があり、良いことも書かれているのは事実な…

煙草と頭の固い現実主義者たち

昭和時代の愛煙家と嫌煙家の会話。 嫌「煙草きらい。煙たい」 愛「そんなこと言ってもしょうがない」 嫌「煙草の煙が充満している所もつらい。特にレストランとか食事する場所。食事がおいしくなくなる」 愛「僕もたしかに自分が吸ってない時は他人の煙草の…

手を使わずにラグビーができる可能性

ラグビーを手を使わずにできる可能性について何年か前から考えている。 「そんなことしても何のメリットもない」とか「実用的ではない」とか、そんなことは分かっている。ラグビーで手を使わなかったら不利だし、負けてしまうし、ラグビー選手はそんなことは…

置き去りにされる「孤独」

現代、日本語の「孤独」の意味は二極化している。 一つは、一人で寂しい、辛いという意味の孤独。loneliness。 もう一つは、ただ一人であるという意味の孤独。寂しさはない。solitude。 前者はネガティブな意味の孤独。後者はポジティブな意味の孤独。 最近…

「そんなんだからモテないんだよ」

私はこんな残酷な言葉を知らない。 モテたいのにモテずに苦しんでいる男性がいる。長年のあまりの苦しみに耐えかねて、突発的によからぬ行動、不適切な行動に出る。 と、待ってましたとばかりに周囲の人間たちはこぞって「そんなことするからモテないんだよ…

電子マネーは無言で使えるようにしたい

anond.hatelabo.jp ↑を読んで。 私も以前から常々同じことを感じている。 電子マネーはコンビニ等で使うときにいちいち「エディーで」などと言わなければいけないのがとてもダサい。 「電子」なのにまるでアナログに退化したかのようだ。 「それぐらい別に声…

気象庁2018年夏の3か月長期予報答え合わせ

天気予報は年々精度が上がってよく当たるようになったと言われる。だがそれは明日や明後日の天気であって、週間予報とか長期予報になればなるほど、まだまだ精度は低いとも言われている。 そこで気象庁が発表した今夏(2018年夏)の長期予報がどれくらい当た…

マイナンバー制度と申請主義

山口道宏編著『「申請主義」の壁!』を読む。この本には日本の申請主義の問題点が豊富な事例によって紹介されている。申請主義にどんな問題点があるかは、この本ではいやというほど挙げられている。 「申請主義」の壁!―年金・介護・生活保護をめぐって 作者:…

東京オリンピック2020のマラソンは時間帯を早めるのではなく

2020年東京オリンピックのマラソンを猛暑の中で行うことに批判が出ている。 東京オリンピックが行われる7月から8月は、一年で最も暑い時期であり、そんな猛暑の中を選手に走らせるのは熱中症などの虞があり危険である、という声だ。こうした声を受けて、組織…

障碍者雇用水増し問題の責任は誰がとるのか

中央省庁による障碍者雇用の水増し問題が明らかになった。 これは官房長官が言うように「あってはならないこと」で、経済産業大臣が言うように「ゆゆしき問題」である。当然、責任者、トップに立つ者は責任をとって辞任しなければならない。 これでもし誰も…

前提の「ば」批判

前提を問わないまま前提を深めていく社会 今の時代、前提を置く「物言い」をする人ばかりである。 「この方法をすれば、あなたも痩せられる!」 「この本を読めば、人生の成功を摑める!」 「一日たったの五分これをすれば、英語がペラペラに!」 「信じれば…

元号公表時期問題は即位日と改元日をずらせばいい

先日の日経新聞によれば、自民保守系の議員が新元号の発表は新天皇の即位後にすべきだ、と政府に要請したらしい。 「新元号発表は即位後に」 自民保守系、菅氏に要請 :日本経済新聞 このニュースに対して、IT技術者が多いはてなユーザーは大ブーイング。は…

完璧主義とは何か

私は、他人とはあまり「完璧主義」について議論したり話したりしないようにしている。それは、「完璧主義」についての抑々の認識が異なっているからだ。 「完璧主義」で検索すると大体「どうやってなおすか」といったような話ばかり出てきて、まるで病気扱い…

利用者証明用電子証明書のスマホへの格納はマイナンバーカードなしでできるようにしてほしい

先日、読売新聞が伝えたところによると、政府は、マイナンバーカードに内蔵されている公的な電子証明書を、スマートフォンにも搭載することができるよう関聯法案の法改正に入る予定だという。 スマホにマイナンバーカード機能搭載…法改正へ : 政治 : 読売新…

国の「プッシュ」型サポートの問題点

マイナポータルの“売り”の一つに「プッシュ通知」がある。 今までとちがって、行政側からプッシュ型でお知らせしますよ、ということである。 一見、良い事のように見えるが、プッシュ通知は無視する人も多い。今でもパソコンを使っている時に、OSやらブラウ…

危ないアボリジニー 〜クルマ社会を疑わない人々〜

オーストラリアの先住民族アボリジニー。 19世紀にオーストラリア大陸にやって来たイギリス白人。 そのイギリス白人たちの会話。 「アボリジニーの人たちって危ないよね」 「ここは私たちの射撃場なのに」 「『立入禁止』ってちゃんと書いてあるのに、あの人…

蒸気機関車と頭の固い現実主義者たち

頭の固い現実主義者たちとどう闘っていくか、ということが自分の中でもう何年も前から課題になっている。 特に日本には頭の固い現実主義者が多い気がする。 明治時代、ある村で蒸気機関車を通すか通さないかに対して賛成派と反対派に意見が分かれている。 反…

日本社会はキャッシュレス化すべきか

キャッシュレス化が叫ばれている。 中国のキャッシュレス化がいかに進んでいるか。それにくらべて日本はいかに遅れているか、ということが頻りに語られている。 「日本もキャッシュレス化を」と言う人は多いが、なぜキャッシュレス化をしなければいけないの…

サッカーと戦争

サッカーと戦争は似ている 過去のワールドカップなどの大会で戦争がどのように影響してきたか、戦争によって中止になった大会とか出られなくなった国とかそういう話ではなく。 サッカーと戦争は何が違うのか、という考察。 「何が違うのかって、そんなの簡単…

将棋界には不思議なほど将棋に関係する名前の棋士が多い

「球児」という名前のプロ野球選手がいます。父親が野球が好きでその影響を受けて育つと、名前と職業が一致することがままあります。 今の将棋界には将棋に関係する名前の人が不思議と多く、下の名前の場合は「親が将棋好きだったのかなあ」と思いますが、そ…

忘れられた宮城県沖地震の教訓

今朝、大阪で大きな地震があった。 小学生のとき、学校の防災の授業で「地震のときはブロック塀から離れなさい」とやたらと言われた記憶がある。防災読本みたいなものにもイラスト入りで書いてあったような気がする。 その後の人生でいくつかの大きな地震が…