建物自体はかなり昔からあるのですが、2002年までは公衆衛生院として使われていたので部外者は入れず、港区立郷土歴史館としては昨年2018年にオープンしたばかりで、東京人の間でもあまり知られていない感じの建物です。
左の門は東京大学医科学研究所附属病院。右側が旧公衆衛生院の入り口。
見えてくる建物。
左側に回り込むと正面が見えてきます。
この建物は本郷東大の安田講堂を作った内田祥三が手がけた建物だそうで、重厚な建物です。
正面から中へ。入館料300円を払って建物内部を見学。
主な見どころは、建物そのものと常設展(港区の歴史等)と企画展です。私は建物を見るのが目的だったので企画展のチケットは買いませんでした。
気づいたことは、無駄に係の人が多いということ。そして係の人というのは大抵、「そこは立ち入らないでください」とか「それは触らないでください」とか細かく口うるさく言って来るイメージがありますが、ここの係の人たちはそういう感じではなく、皆やたらと案内などが丁寧でした。
中央の吹き抜けのところ。
皆、写真を撮っていました。基本的には写真を撮っていけないところは少なく、立ち入り禁止の部屋などは開けようとしても鍵がかかって入れないように始めからなっており、見学中にいろいろ口うるさく言われなかったのが良かったです。
階段もなんか楽しい。この写真は2枚の写真を真ん中でつなぎ合わせているように見えますが、一枚の写真です。
見どころの一つ。趣のある講堂。
迷路感がある廊下。子どもの時にここに来ていたら10倍くらい亢奮していると思う。
館内をいろいろ歩いていると、相当、年代物と思われるエレベーターの遺跡を発見。
ボタンの上に何か書いてある。
此ノ釦ヲ押セバ乘籠ガ來マス。乘籠ガ止マツテカラ扉ヲ開ケテ御乘リ下サイ。運轉中ハ釦ヲ押シテモ無駄デス。(このボタンを押せば乗り籠が来ます。乗り籠が止まってから扉を開けてお乗り下さい。運転中はボタンを押しても無駄です。)
「運轉中ハ釦ヲ押シテモ無駄デス。」
「無駄デス。」
何だこれ。最後の一文がめちゃくちゃ面白くて笑ってしまった。もう、こんなのを発見できただけでも、来た甲斐があった。それにしても、昔のエレベーターは手動で扉を開けていたのか。こんなエレベーターが今でもあったら最高なのに。
他にも、オーガニック(?)な感じのお洒落なカフェもありました。
(他の客がいたため、全景は撮れず。)
まとめ・感想
建築に造詣の深い人だったらもっと細かいところにたくさん気づくでしょう。
この記事では省略しましたが、各部屋が常設展示室になっており、いろいろ港区の歴史を学ぶことができます。図書室もあり、そこは普通に読書することもできます。
トイレなどは改装されて今どきの綺麗なトイレになっています。(ただし昔のトイレを使ってみたかった気もする。)
あと、休憩室とかいろいろなところに手洗い台が残っていて、さすが公衆衛生院、と思わせてくれます。
一つ一つの調度品も美しく、こんな所に住んで学んでいた当時の学生が羨ましくなりました。
この建物を取り壊さず、活用する方向に動いたのは賢明だったと思います。
昨年2018年にオープンしたばかりであまり知られていないせいか、ゴールデンウィークにもかかわらず人は少ないし、300円だし、かなり満足でした。