漸近龍吟録

反便利、反インターネット的

マイナンバーカード改名提案

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 マイナンバーカードが普及しない。
 
 せっかく国が作ったマイナンバーカードが全然普及していない。
 
 このカード、一つは名前が悪いのではないだろうか。
 
 国民の中で一番多い誤解は、マイナンバーとマイナンバーカードの混同である。大手新聞社でも「○○図書館、マイナンバーで本が借りられるように」などという記事を書いているところをよく見かける。
 

 

 もちろんこれは誤りで、全国どこの図書館でもマイナンバーで本は借りられない。マイナンバーカードで本を借りられるのである。本を借りる時にマイナンバーは使わないし、図書館職員に対して呈示もしない。
 
「大手新聞社はさすがにそこら辺のことは解っていて、単にマイナンバーカードのことを略してマイナンバーって言ってるだけなんじゃないですか?」
 
 だとしたら、私はそのような略し方には反対である。マイナンバーとマイナンバーカードは大きく意味が違うからである。マイナンバーで本を借りることができたら大問題である。
 
 「ウィキペディアをウィキって略すな!」はそこそこ広まったが、私は「マイナンバーカードをマイナンバーって略すな」を広めたい。
 
 そして、マイナンバーカードの性格から考えても、これは「マイナンバーのカード」ではない。たしかにカードの裏面にはマイナンバーが書かれているし、ICチップの中にもマイナンバーが書かれているが、それはこのカードの主たる利用目的ではない。
 
 マイナンバーカードの主たる利用目的はICチップの中の電子証明書を使った個人認証。この電子証明書を知らない国民も多い。
 
 「マイナンバー制度」と一口に言うが、主に「マイナンバー部分」と「マイキー部分」から成り立っている。そのことを示すためにちゃんとキャラクターも二頭に分かれている。
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 マイナンバー担当のマイナちゃんとマイキー担当のマイキーくん。
 
 「マイナンバー」という言葉はほとんどの国民が説明はできないまでも「聞いたことはある」と言うだろう。だが、「マイキー」という言葉は、ほとんどの国民が説明できないだけではなく聞いたことすらないと言うだろう。兎の知名度の高さに比べると犬のほうはほとんど知られていないと言っていい。
 
 マイナンバーカードの用途は、マイナンバーを使うこともあるが、大半はマイキー部分による公的個人認証である。だとすれば、「個人認証カード」、あるいは「電子証明カード」という名前にするのがよいのではないか。
 
 漢字では堅すぎる、せっかくだからもっと親しみやすい名前にしたい、というのであれば「マイキーカード」という名前ではどうか。
 
 このようにすれば、今は誰もわかっていない電子証明書やJPKIに注目が行くようになり、まだほとんどの国民が意識していないマイキーIDにも意識が行くようになるだろう。自分の好きなIDを設定する人も増えるかもしれない。
 
 そして、副次的効果として、マイナンバー(番号)とマイナンバーカード(プラスチック製の札)を混同する人も減ってくるだろう。
 
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